りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

短くて恐ろしいフィルの時代

短くて恐ろしいフィルの時代

短くて恐ろしいフィルの時代

★★★★

小さな小さな“内ホーナー国”とそれを取り囲む“外ホーナー国”。国境を巡り次第にエスカレートする迫害がいつしか国家の転覆につながって…?!「天才賞」として名高いマッカーサー賞受賞の鬼才ソーンダーズが放つ、前代未聞の“ジェノサイドにまつわるおとぎ話”。

たった一人しか住むことができないくらい小さな内ホーナー国と、それを取り囲む大国外ホーナー国。国境を巡るいざこざのなかで、台頭してきた外ホーナー国のフィル。 差し出せるものが何もないことが分かっているのに、さらにまだ差し出せと言って身包みはがして彼らの尊厳を奪い、最後は命までもを奪う。
空っぽの脳ミソで扇情的な演説をする。自分勝手な論理を振りかざす。

ものすごく残酷なのだがどこか滑稽ででもやけにリアルでゾッとする。
さぁ、次こそうまくやれよ、と世界をきれいに整えてくれる神様が私たちの世界にもいてくれたらいいのだけれど…。