りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

秘密の花園

秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)

秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)

★★★★★

インドで両親を亡くしたメアリは、英国ヨークシャーの大きな屋敷に住む叔父に引きとられ、そこで病弱な従兄弟のコリン、動物と話ができるディコンに出会う。3人は長いあいだ誰も足を踏み入れたことのなかった「秘密の庭」を見つけ、その再生に熱中していくのだった。

子どもの頃、大好きで何度も読み返した物語。
読むたびに自分も素敵な庭を見つけたい!秘密の友だちが欲しい!と思ったものだが、大人になってから読むとあのときとはまた違った感動があった。

親の愛を受けたことがなく我がまま放題で育ったかわいげのかけらもない子どもが、コマドリや草木や温かい太陽に癒されて生まれ変わる。
偏屈な庭師や素朴な女中や母性愛の塊のような大人と接して子どもらしさを取り戻す。 そして子どもと子どもが出会い友だちになって、秘密を共有したり本気で喧嘩をしたり仲直りして心を通わせる中で、自分のことを客観的に見られるよういなり、相手のことを思いやるようになる。

子どもたちの成長する姿に何度もじーんとなった。
そして愛する妻を失ってすっかりヘタれてしまった大人(クレイヴン氏)が、花園と子どもたちによって閉じこもっていた殻を破り再生する姿に胸が熱くなった。