りつこの読書と落語メモ

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死刑囚

死刑囚 (RHブックス・プラス)

死刑囚 (RHブックス・プラス)

★★★★★

冬の朝、ストックホルムで起きた傷害事件。単純な事件だった…逮捕された男が、6年前にアメリカの監房で死んだ死刑囚とわかるまでは。恋人を殺し、死刑囚となった男だったが、刑の執行を待たずに独房で死んだ…はずだった。男の死刑を見届けることだけを支えにしていた被害者の遺族、男を間近で見ていた看守…6年間止まっていた時が再び動き出す。あの時監房で何があったのか?生きていた死刑囚はどうなるのか?やるせない衝撃の結末が胸を打つ。

面白い!最初から最後まで夢中になって一気に読んだ。 いやぁ、驚いた!まさかこんな…。 とにかく一切の予備知識なしで読むべし。面白いよ!

しかもこれシリーズものだったんだ?!エーヴェルト警部、大好きになったので、他の作品も読んでみたい。

以下ネタバレ。

































彼の無罪を信じて本人には知らせずに脱獄を計画し実行した人たちをこんな形で裏切ることになるなんて…。
自らの暴力性をおさえることができずに傷害事件を起こしてしまったジョンに、苛立ちを覚えながら前半を読んでいた。
特に看守長ヴァーノンは脱獄の真相が明らかになれば罪に問われることは間違いなく、「ああもうなんで…!」と思っていたのだが。

なぜジョンが生きていることをヴァーノンが被害者の父でジョンの死刑を見届けることだけを生き甲斐に生きてきたエドワードに真っ先に伝えたのか。
なぜ?全てを台無しにするようなことを?

その答えはなんとこの事件そのものが死刑制度が間違った制度であるということを訴えたいがために、ヴァーノンが仕組んだものだったから…。
ヴァーノンはエドワードを陥れて、自分の死をエドワードの手による殺人と見せかけることで、無実の罪で死刑を宣告されること、死刑制度の罪を彼に嫌と言うほど味わわせるのだ…。

まさかそんなラストだとは想像だにしていなかったので、「ぐおおおっ」と驚いた。
イヤミスといわれるのもわかる…。
原題が「エドワード・フィニガンの救済」って…。ぞくっ。さらにイヤ度が…。
でもすごい好き。