りつこの読書と落語メモ

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リナ

リナ

リナ

★★★★★

母国の過酷な状況を逃れて国境を超えた22名の脱出者たち。そのひとりとしての少女リナ。彼女たちを待ち受けるものは何だったのか? 国境の向こう側には、夢見たものがあったのか? 殺人、人身売買、強姦、麻薬、売春――次々と襲いくる悲惨な出来事を乗り越えて、リナはいかに生きたのか。国家はもとよりふつうの意味での家族すら捨てたリナが選んだ新しい家族の形とは?

ヘヴィだった…。
脱北者がモデルになっているということだが、小説の中で国については触れられていない。
母国を逃れて国境を越えた22名の脱出者。その一人であるリナは16歳の少女だ。

気が強くてあまのじゃくな少女リナを待ち受けるのは、とにかく悲惨で過酷な生活。
貧しくて不潔でいつもお腹がすいていて暴力と嘘に満ちた世界。
リナは生き延びるためには盗みも人殺しも辞さないしたたかさをもっていて、ものすごく悲惨なのだが、かわいそうさを微塵も感じさせない。
しかし時々子どもじみた行動をとったり拗ねたりするときがあって、そうか、リナはまだほんの少女なのだ、ということに気付かされて愕然とする。

なんて悲惨でなんて絶望的で、なのになんて強いんだろう。
ラストに広がる風景がそれまで続いた醜悪さを吹き飛ばすぐらい美しい。
最初から最後までとことん打ちのめされた…。