りつこの読書と落語メモ

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それでも三月は、また

★★★★

あの忘れられない日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。2011年3月11日に発生した東日本大震災により、甚大な被害を受けた日本。福島第一原発の重大事故との闘いは、今後何十年も続く。大きく魂を揺さぶられた作家、詩人たちは、何を感じ、何を考えたのか? 日本、アメリカ、イギリス同時刊行!本書の著者印税相当額/売り上げの一部は震災復興のため寄付されます。

作家というのは「物語る」のが仕事なのだから、苦しくても書かなければならないのだろうと思う。またこうして物語にすることですこしでも消化することができるのかもしれないとも思う。
けれどまだ振り返る時期ではないのに…とも思う。
瓦礫の処理さえまだできていないのに、こんなふうに物語にすること、それを作品として読むことに罪悪感を感じる。被災地にいたらこれを読もうと思うだろうか、と。

それぞれの作品が、アプローチの仕方やテーマも違うけれど、冒頭の谷川俊太郎の詩にあるように、全てを失っても全てが壊れたのではない、ということをいっているように感じた。
いしいしんじ佐伯一麦の作品が特に沁みた。

20年ぐらいしたらきっと違った感想を持つのかもしれない、と思う。