りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ぬるい毒

ぬるい毒

ぬるい毒

★★★

ある夜とつぜん電話をかけてきた、同級生と称する男。嘘つきで誠意のかけらもない男だと知りながら、私はその嘘に魅了され、彼に認められることだけを夢見る―。私のすべては、23歳で決まる。そう信じる主人公が、やがて24歳を迎えるまでの、5年間の物語。

なんとも言えない気持ち悪さ。向伊をはじめ、出てくる男たちの気持ち悪さに、うおーーーっ!って頭をかきむしりたくなる。
邪悪で危険な男に惹かれる気持ちはまだ分かるけど、自分を蔑む男に猛烈に恋焦がれるっていうのはどうにもわからない。しかもこの男の薄っぺらいこと…。なんの魅力もありゃしない。
しかも似たような男同士でつるんでお互いにかばいあっているのがますます気持ち悪い。
ビール瓶で頭をかち割ってやればよかったのに!

でもそうしないところが、まさにぬるい毒、なのか。
なんだか主人公はすっきりしちゃってるし。
救いがないようなあるような…。実にいや〜な肌触りであった。