この世の涯てまで、よろしく

この世の涯てまで、よろしく

★★★★

死んで５０年後の世界に蘇ったピアニスト、アルトゥア。彼の第二の人生はおかしなことばかり。幽体離脱、怪人の出現、さらに殺人事件も!?　にぎやかな音楽とめくるめく謎の物語！

なんて素敵なタイトル。そしてなんて素敵な装丁。

独特のノリがある小説だった。
主人公がピアニストの幽霊だから？ナチスの時代さえも軽薄にひょいひょいと生き抜いてしまうような人間だったから？ふわふわと不思議な軽さ。音楽的なのかも。

もう少し人物をじっくり描いてくれたら★５つだったんだけどなぁとも思うけど、きっとそれが作者の狙いだったのかな。
唐突な終わり方さえも、軽薄幽霊に煙に巻かれたようで、面白かったなー。