痺れる
- 作者: 沼田まほかる
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/04/20
- メディア: 単行本
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汚れた身体を抱きしめてくれた悪魔に囚われていく私。怒りと赦しを背負いながら生きていく使用人の哀しみ。姿の見えない彼の妻に翻弄される不倫女の叫び。―暗い水底に引きずり込まれていくような9つの哀しみと絶望
これはまた全力で悪意とおぞましさを描く作家があらわれたなぁ。
若い人なんだろうなと思ってみたら、そうじゃないんだね…。年齢や経歴を見て、より凄みを感じる。ぞくっ。
「レイピスト」「TAKO」の気持ちの悪さといったら…。
女性だったらこういうのが一番気持悪くて怖いんじゃないだろうか。身の毛もよだつとはこのことだ…。
でも、「うわっいやなところを突いてくるなぁ!」と思いながらも、目をそらすことができないような、吸引力がある。
決して好きではないけど、不快ではない、かな。
でも短編がいいな、この人は。これを長編では読みたくない…。
怖いけどちょっと笑えて哀愁漂う「テンガロンハット」が一番好き。