りつこの読書と落語メモ

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ロンリー・ハーツ・キラー

ロンリー・ハーツ・キラー

ロンリー・ハーツ・キラー

★★★★

黄砂舞い降りるメトロポリス。この国を象徴する者が死んだ。世の中から言葉が減り、人々が生きる気力を失う“カミ隠し”と呼ばれる現象が相次ぐ。親友のいろはを通じた出会いにより、この世界の真実を幻視した「俺」がとった行動とは―三島賞野間文芸新人賞受賞作家による近未来幻想小説

国の象徴である「オカミ」が死んで、人々が生きる気力を失う「カミ隠し」という現象が起きる。
「無差別心中」とその反動の「無差別正当防衛」という殺人が流行り、殺伐とする世の中。そんな中、山荘にこもり暮らす2人の女性。

「俺俺」と根っこの部分は一緒なんだけど、こちらのほうがより観念的で難解な印象。 現実の世界でも実際に起こっていることを過剰に描いてあって、それがでも余計にリアルな感じを与えていて、なんともいえずキモチワルイ。

無差別殺人の流行で人々が疑心暗鬼になる中、「私は殺しません」と広告をうった「モクレン」へ集まる批判。その批判が全て誰かの受け売りというのもすごくリアルで不気味だ。

無私を追及するとエゴになり、死を追及すると生になる。 リアルな生とはなんなのか。 時代を予言する呪いのようにも思える小説だなぁ…。