りつこの読書と落語メモ

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半分の月がのぼる空

半分の月がのぼる空〈上〉

半分の月がのぼる空〈上〉

半分の月がのぼる空〈下〉

半分の月がのぼる空〈下〉

★★★★

不治の病に冒されたツンデレ美少女と、おっちょこちょいで優しい男の子のラブストーリーで、電撃文庫で大人気だったラノベの改稿版。
なんて最初に聞いたら「セカチュウみたいなもんか?だみだ、こりゃ」と思って決して手を出さなかったと思う。

普通の少年と少女の、だけど“特別”な物語。

この説明もどうかと思うけど。
あまりにそっけなさすぎて、何の話か想像もつかないって、これじゃ…。

映画化されていてその感想を読んで、「読んでみたい!」と思った。
読んで正解だった。面白かった!
怯むくらいの分厚さなんだけど、読みやすいから2日で読んじゃった。

主人公・裕一の振り回され具合が、いらっとくるけど、愛おしい。
ツンデレ美少女里香のわがまま具合が、いらっとくるけど、切ない。
もう少しでもどちらかに寄ると「うわ、だめだ」になるのだけど、ギリギリのところでバランスを保っていて、泣いたり笑ったりしながら夢中で読んだ。

身近に迫る死に圧倒され屈しそうになりながらも、時間の流れに逆らわずできる限りその瞬間を輝かせようとする2人の姿は胸を打つし、そういうふうに日々を生きていかなければならないんだな、と気付かされる。
2人を見守る看護師の元ヤン・亜希子もいいし、何といっても主治医の夏目がいい。夏目の奥さんとのエピソードには涙涙涙…。

重いけど軽い。泣けるけど、笑える。いらっとくるけど愛おしい。
そんな小説だった。

昔から涙腺はゆるかったけど、最近ますますゆるくなった。
金曜日に会社で送別会があって、その席で私が「送る言葉」を言うことになっていたんだけど、まぁどうせ飲んでいる席だし誰も聞いちゃいないだろうしと思いながらも、一応、何を話そうかと1週間ぐらい考えていた。
毎朝歩いて通勤しているのでその時間に考えていたんだけど、ああいうこともあった、こういうこともあった、これだけは伝えたい、なんて考えていると涙がどばーっと出てきてしまう。
てくてく歩きながら、どばどば泣いているって、相当シュールな光景だよ…。

そして、この本はお昼休みと帰りの通勤電車で読んでいたんだけど、お昼も一人でどばーっ、帰りも結構混んだ電車の中でどばーっ。
いったいなんやねん?っていうぐらい涙が出るのよねぇ…。
さんざん泣いておいて「甘すぎ」なんて感想を持ったりするんだから、あたしっていったい…。
いや、これは良かったけどね。最後まで。