りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

バイバイ、ブラックバード

バイバイ、ブラックバード

バイバイ、ブラックバード

★★★★

太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。1話が50人だけのために書かれた「ゆうびん小説」が、いまあなたのもとに。

最近ハード目の伊坂作品にはちょっとぜいぜいと息切れするようになってきていたので、これは少しファンタジー混じりで久しぶりに心地よく読めた。

何か事情があって「あのバス」に乗せられてこの世とさよならしなくてはいけなくなった星野。
彼を「あのバス」に連れて行く役目を担うのが人間とは違う生き物かと思うぐらい巨大で醜悪で暴力的な女・繭美。
5股をかけてきた女たちにお別れを言いたいという星野は繭美と連れ立って女たちを訪ねる。

どの女性も癖があって味があってお別れの仕方もさまざまで面白い。 特に子持ち女と計算女が良かったなぁ。
5股をしてしまう星野も、ずるいところもあるけれど抗えない魅力があって、こいつしょうもないけど近くにおいておきたいわ、と思ってしまう。

ラストがイイ!
好き好き、これ!