りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ブルー

ブルー

ブルー

★★★

真っ青な空が広がる夏のある日。13歳の今里杏は、生まれて初めて学校をさぼった。図書館で読書ざんまいのはずが、ひょんなことから、会ったばかりの女性の話を聞くはめに。おしゃべりで、ちょっぴりおせっかいなその女性・サヨコさんは、30年前に長野県で起きたバス事故のことを調べているという。なぜいまさら、そんな大昔のことを?好奇心から、その調査につきあうことにした杏だったが、サヨコさんと話をするうちに、ある思い出が甦る。大好きなおとうさんと沖縄で過ごした夏の日々。そして、おとうさんとの別れ。ずっと心にしまっていた気持ちが、ほろほろとこぼれ出る…。ふたりの小さな旅を通して、喪失の痛みと人間の再生を温かく描きだす、爽やかな物語。

いいなぁっと胸を打たれるシーンがたくさんあって、読んでいてぐっときて何度か涙が出てしまった。
特にお父さんとのシーンがすごくいい。
こんなふうに子どもの心に忘れられない宝物のような瞬間を残すことができたら。ほんとに親冥利に尽きるよなぁ。
親子ってすごく温かくて寂しい関係だ、と思う。

ただなぁ…。作者の思い入れが強すぎたせいなんだろうか。登場人物たちがしゃべりすぎだと思う。
ここまで語る中学生はいないぜ…。そこがちょっとリアルじゃなかったなぁ…。
最後の手紙もなくてもよかったかなぁって気がした。そこまで書いてくれなくても十分伝わったよ。うん。