ロードサイド・クロス
- 作者: ジェフリー・ディーヴァー,池田 真紀子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/10/28
- メディア: 単行本
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尋問の天才キャサリン・ダンス、ネットにひそむ悪意に挑む。陰湿なネットいじめに加担した少女たちが次々に命を狙われた。いじめの被害者だった少年は姿を消した。“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスが少年の行方を追う一方、犯行はエスカレート、ついに死者が出る。犯人は姿を消した少年なのか?だが関係者たちは何か秘密を隠している―。幾重にもめぐらされた欺瞞と嘘を見破りながら、ダンスは少しずつ真相に迫ってゆく。完全犯罪の驚愕すべき全貌へと。
多重に展開するストーリー、どんでん返しに次ぐどんでん返し、そしてポロリもあるよ!じゃなくて主人公ダンスのよろめき(死語)もありの、相変わらずのサービス精神。
このぐいぐい読ませる力とバイタリティには頭が下がるっていうか、ブラボーだ。
このバイタリティ、見習いたい…。
今回はブログ、オンラインゲーム、ネットいじめと、「ソウル・コレクター」よりももっと身近なテーマ。
面と向かって言えないようなことはネットでも書かないほうがいいと肝に銘じているんだけど、でもネットの匿名性(完全に匿名なわけではないんだけど)と「ネットでは本音をぶつけてもいい」という根拠のない思い込みとで、時に、妙に攻撃的になってしまうことが自分にもある。
特に「正しく裁かれていない」とか「不公平だ」と感じる時に人は攻撃性を発揮するように思う。
そしてひとたび炎上してしまうと、もう誰の手にも負えなくなってしまう。いやほんとに怖いよ…。
殺人事件も怖かったけど(窓とお面は私も怖い…)、でもそれ以上にフツウの人たちが悪意のコメントを「正義」と称してどんどん書いていくのが怖かったなぁ…。
以下ネタバレ。
でも、最初から多分カレは違うんだろうなってわかってたよ。
ここまでそうだと違うだろうと思うよな、フツウ。
そして、おお!こんなチョイ役の人が?と思わせておいてのどんでん返し。
でもなんかそれだとちょっと今までのあれこれはなんだったのさ、という気がしないでもない。
そして動機がしょぼい…。そして最後の一言もそれほど効いていない…。うーん…。
心意気は買うけど(えらそう)、ちょっと残念な作品だったかな。