りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

オルモスト・ムーン 月が欠けゆく夜

オルモスト・ムーン 月が欠けゆく夜

オルモスト・ムーン 月が欠けゆく夜

★★★★

二十年前、家からほとんど出たことのない八十八歳の母。変わり者の母のために、苦労しつづけた四十七歳の娘。父が亡くなって以来、母の面倒を見てきた娘がついに母を手にかけたとき、その胸中に去来したものとは?静かに壊れてゆく、ひとりの女性の物語。

認知症の母の介護をしてきた47歳の娘が衝動的に母を殺めてしまう。
それから24時間、彼女は異常とも思えるほど淡々と日常生活をこなしながら、それまでの人生を振り返っていく。

母にめちゃくちゃにされた人生。
それは逃れようがなかったのか。誰にも助けてもらうことはできなかったのか。いったい彼女はどうしたらよかったのか。
母を見捨てることができなかったのは母を愛していたからに他ならない。だけどこんな親子関係は悲しすぎる…。

他人事とは思えなくて読んでいて苦しかった…。
結論は出ないのだけれど、彼女が最後に選びとった道に希望があると思いたい。