りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

卵をめぐる祖父の戦争

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)

★★★★★

「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父のレフが戦時下に体験した冒険を取材していた。ときは一九四二年、十七歳の祖父はドイツ包囲下のレニングラードに暮らしていた。軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された彼は、饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索に従事することに。だが、この飢餓の最中、一体どこに卵なんて?―戦争の愚かさと、逆境に抗ってたくましく生きる若者たちの友情と冒険を描く、歴史エンタテインメントの傑作。

これは文句なしに面白かった!
以前読んだ「25時」はそんなに印象に残らなかったんだけど、これはいい!

戦争の残虐性を描きながらも、友情と恋愛を生き生きとユーモラスに描いているから、悲惨な中にも希望を感じられる。
希望が感じられるだけに悲惨さも際立つという部分もあり。
甘すぎず辛すぎず緩急のバランスが絶妙で、これぞ小説って感じ。素晴らしい。