りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

西原理恵子月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気

★★★★★

毎日を笑顔で生きていくために。おサケを飲む人、飲まない人、未成年も必読です。
巻頭漫画、巻末には相談先リスト入り。

西原さんの旦那さんがアルコール依存症だっていうことや、一度離婚したけどもう一度一緒になって最期を看取ったことなんかは、マンガを読んで知っていたんだけど、こんなことになっていたとは‥。

この本を買ったのは、アルコール依存症が決して他人事とは思えないからだ。
私も大の酒好きで、飲んで暴言吐いたり醜態さらしたりという失敗は数知れず、最近は外に飲みに行かなくなったかわりに家で寝る前に飲む発泡酒の量がどんどん増えてきて、1本のつもりがついつい2本、3本になり‥。
もしかしてヤバイんじゃないか?本当にそうなったらいったいどういう風になってしまうんだろう、そんな気持ちからこの本を手に取ったのだ。

読んでつくづく怖くなった。
それは自分も間違いなく片足を突っ込んでいると思ったから。
そして依存症になったら一生治らない、ということがわかったから。

24歳の時にアルコール依存症になったという月乃さんの体験談はもう恐怖としか言いようがない。
誰かがこんな風になってしまったら、家族はいったいどんなに苦しいだろう。
まさに生き地獄だと思う。

アルコール依存症は家族が割りに合わない病気」「プロしかできないこと。プロしかしちゃいけないことがある。」「女性はできるだけ外を向いて健全で明るく生きたほうがいい」
西原さんの言葉はとてもストレートで現実的だ。
でもそこに優しさとあたたかさがあって、読んでいてなんだか泣ける…。

船が沈没しそうになったとき、子どもを両手に抱え、必死にも守ろうとした姿。
一度は見限った旦那を「あれは彼の本当の姿ではなく、病気がそうさせていたのだ」と気付いて、もう一度受け入れる姿。
やっぱり強い人だなぁと思うけど、でもすごくフツウの真っ当な人だなぁとも思う。

家族のことで何か大きな問題があった時、それを誰かに話すことができなくなる。
暴力、借金、アル中‥問題が深刻であればあるほど友人にも親戚にも相談できない。 そして問題を抱えているのが大黒柱だったりしたら、それこそ生活が立ちいかなくなってしまうのだ。
だからこそ、同じように苦しんでいる人たちに、あなただけじゃないよ、こうすればいいって教えてあげられるよという気持ちで、この本を作ったんだろうな、と思う。

楽しくお酒を飲むために、自分でちゃんと酒量をコントロールできるようにならなければ。
ちゃんと飲まない日を作らなければ。
そしてそのせいで家族を悲しませるようなことには絶対にならないようにしなければ。
そう思った。