りつこの読書と落語メモ

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ハルムスの世界

ハルムスの世界

ハルムスの世界

  • 作者: ダニイルハルムス,増本浩子,ヴァレリーグレチュコ
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2010/06/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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★★★★

ナンセンスでアヴァンギャルドで滑稽で、ときに残酷―。スターリンの弾圧下で闇に葬られ、20世紀後半に再発見された作家ダニイル・ハルムス。彼が遺した数多くの作品の中から代表作『出来事』+38篇を収録した傑作短篇集。


屋根から人が次々落ちていったり、腹が立ったから殴って殺しちゃったり、お母さんとの会話が全く成り立たなかったり、悪い人がもっと悪い人に殺されたり…ブラックユーモアという言葉では生ぬるいくらいの不条理と残酷さ。

マザーグース的な?なんて思いながら読んでいたんだけれど、物語の途中に挟まれている解説で、作者ハルムスが置かれていた状況や彼の絶望がどれほど深かったのかということを知り、印象が変わった。


何の希望もない世界で生きていくためには、そんな状況を面白がるユーモアが唯一のクスリなのだ。たとえそれが空元気だったとしても。