りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

のけ者

のけ者

のけ者

★★★★★

ニコラ23歳、無職、宿ナシ、疎外感・劣等感・被害妄想…現代人の心の暗部をとびきりの抒情で詠いあげた、ダメ男小説作家ボーヴの傑作長編。

ダメ人間ここにきわまれり。ここまでだめだとむしろ気持ちいい…?

いやでもなんかわかる部分もすごーくあるのだ。
自分も今はフツウの人間のような顔をして一応働いているけれど、彼らのような部分がないわけではなく、むしろ放っておいたらこうなってしまうかもなぁ…というところが多くて、ぞっとする。

何もしないでい続けることも恐ろしさを見せられたなぁ…。
とにかくなにがなんでも動かないと。働かないと。そんな気持ちにさせられる小説だ。