僕の明日を照らして
- 作者: 瀬尾まいこ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 単行本
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隼太は中学2年生、陸上部。ずっとシングルマザーの息子だったが、進級した春に名前が変わり、ひとりの夜は優ちゃんといっしょの夜に変わった。優しくてかっこいい優ちゃんを隼太は大好きだったが、しかし、優ちゃんはときどきキレて隼太を殴る……。でも絶対に優ちゃんを失いたくない。隼太の闘いが始まる。
隼太は明るい明日を見つけることが出来るのか。思わず応援したくなる、隼太の目覚めと成長の物語。
母親が再婚した優ちゃんは普段は優しいのだが、時々キレて隼太に暴力を振るう。
優ちゃんはキレた後はいつも激しく反省し泣いて謝る。そしてこのことを隼太の母なぎさに打ち明けて家を出ると言う。
しかし隼太は優ちゃんのことが大好きで、このまま3人で暮らしていきたい、優ちゃんを失いたくない。だから優ちゃんがキレないように二人で頑張ろうと、日記をつけたりキレられないように対策を考えたりするのだ。母なぎさには内緒で。
虐待されていることを受け止め乗り越えようとする隼太がただただかわいそうだった。だめ。私はもう全然受け入れられない、この物語。
どんな葛藤があってもどんなトラウマがあっても自分より弱者に暴力を振るう人間は許せないし分かり合うことなんかできない。
自分が殴った相手に泣いて謝って甘えて…。この優ちゃんという男が虫唾が走るくらい嫌いだ。
事実を知って半狂乱になるお母さんの気持ちに一番近い。2人にどれだけの葛藤があったのか知らないけど、自分の子どもがそんな目にあっていたと知って、それを許せる母親なんかいないと思う。
気付かなかった母親が一番酷いと言われたらそれもそうだと思うけど。
確かに隼太は成長したし、優ちゃんは隼太のおかげで少し成長する。
だけどそれがどうしたと言うのだ?
一番助けてあげなきゃいけないのは優ちゃんじゃなく隼太なんじゃないのか?
こんな目に遭っても前向きに頑張ればいつか明るい未来が来ると言いたかった?
作者はこの物語で何を伝えたかったのか私にはよくわからない。