らいほうさんの場所
- 作者: 東直子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/11/11
- メディア: 単行本
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寄り添って暮らす三姉弟の秘密とは?家族のほころびと再生を詩情あふれることばでつづる新境地。
占い師をやっているまじめな姉。役所に勤める妹。そして少し精神に障害がある?弟。
彼らは、庭の「らいほうさんの場所」を守りながら、つましく寄り添って暮らしているのだが…。
「らいほうさんの場所」に何が埋められているのは最後まで明らかにされないまま、そしてちらっと見せられる彼らの狂気も静かにしまわれたままで、最初から最後までなんとも言えない気持ちの悪さが残る。
自分の足元がぐらつくような不安定さと逃れられない、いやむしろ逃れたくないという、その閉塞感がとてもリアルで共感できて、すごく怖い。
怖い話は嫌いじゃないけど、これはちょっと苦手…。なにがとかどこがというのを上手に説明できないんだけど、なんだか妙に神経に障っていらいらするのだ。
もしかするとそれは嫌いなのではなく、自分にも近いものがあるから余計に嫌なのかもしれないけど…。