火山の下
火山の下 (EXLIBRIS CLASSICS) (エクス・リブリス・クラシックス)
- 作者: マルカム・ラウリー,斎藤兆史,渡辺暁,山崎暁子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2010/03/26
- メディア: 単行本
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ポポカテペトルとイスタクシワトル。二つの火山を臨むメキシコ、クワウナワクの町で、元英国領事ジェフリー・ファーミンは、最愛の妻イヴォンヌに捨てられ、酒浸りの日々を送っている。一九三八年十一月の「死者の日」の朝、イヴォンヌが突然彼のもとに舞い戻ってくる。ぎこちなく再会した二人は、領事の腹違いの弟ヒューを伴って闘牛見物に出かけることに。しかし領事は心の底で妻を許すことができず、ますます酒に溺れていき、ドン・キホーテさながらに、破滅へと向かって衝動的に突き進んでいく。ガルシア=マルケス、大江健三郎ら世界の作家たちが愛読する二十世紀文学の傑作、待望の新訳。
なかなか噛みごたえがある小説で、ちょっと読んでは「え?なに?」とまた戻り…で、読むのに時間がかかった。
章ごとに視点が違っていて、しかも酔っ払いの妄想も途中でがんがん割り込んでくるから、なかなか物語の中に入り込めないというか、リズムに乗れないというか…。
酷い悲劇なんだけど、どこか喜劇的なのは、ダメ人間の真実がセキララに描かれているから?
お酒は怖い。でもお酒以上に怖いのが、恨みの気持ち。
恨みの気持ちが自分を蝕み、最後はまわりの人たちをも不幸にしていく、というのがなんとも怖い。
面白くなかったわけじゃないけど、私にはちょっと難しかったな。