りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

1Q84 BOOK 3

1Q84 BOOK 3

1Q84 BOOK 3

★★★★★

そこは世界にただひとつの完結した場所だった。どこまでも孤立しながら、孤独に染まることのない場所だった。

面白かった!
BOOK1,BOOK2の記憶がすでに曖昧なので、再読してからBOOK3を読んだ。これは私にしたらとても珍しいこと。 自分が読みそびれている面白い本がまだまだたくさんある!と思って読んだことがない本を次々求めてしまうんだよなー。(←貧乏性)
いやでも今回は再読して正解だった。
なんと言っても、BOOK2の結末をまーったく忘れていたのだ!
サイドストーリーみたいのは結構覚えていたのに…私の記憶力っていったい…。
1,2と読んで、さあいよいよ3に入るぞ!という時のうれしさったら!

私はこのBOOK3がすごく好きだ。
わかりやすすぎるとかわかりづらいとか2で完結でよかったのではとか世間ではいろいろ言われているようだけれど、私は物語的に落とし前をつけてくれたのだな、と感じた。

1週間ぐらいかけてBOOK1からBOOK3まで読んだんだけど、現実の日常生活が曖昧になるくらいに物語の中に入り込んでしまって、読んでる間はものすごく楽しいんだけど、本を閉じてフツウの生活に戻るとなんだかぼんやりしてしまって、ちょっと危うい感じになるくらいだった。
大学生の頃に「ジャン・クリストフ」を夢中になって読んだ時、そういう状態になったことがあったな…。

いやとにかくこれぐらい圧倒的なフィクションってやっぱり日本では珍しいと思うのだ。
なにもこの本だけがこんなに売れなくても…と思わなくもないけれど、普段小説を読まない人がミーハー心から思わず買ってしまった、でもいいじゃないか。
私たちにはフィクションが必要なのだ。

以下ネタバレ。






・NHKの集金人が怖い怖い。こういう脅し文句が本当に怖いのだ。見透かされているようで。
・天吾がおとうさんに声をかけるシーンで「うっ」となった。そうだったのか!と。
・牛河がいい。前作ではただただ気味の悪い「死神」のような存在だったけれど、この作品の中では誰よりも人間くさくて魅力があった。
・それだけに…うううう…。
・タマルは敵にまわしたくない…。
・愛する者や守りたい者があるというのは弱みになるけれど、それがない人生なんて味気ない。