りつこの読書と落語メモ

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切羽へ

切羽へ

切羽へ

★★★★

静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった哀感あふれる恋愛小説。

夫以外の男性に惹かれているということを自分自身でさえ気付かないようにと見て見ぬふりをしようとしているのに、隠そうとすればするほど、空気を震わすようにびりびりと感情が流れ出てきて、身近な人に気付かれてしまう。
何事も起こらないのに、なんなんだこの尋常じゃない緊張感は。

こういうふうに内へ内へと向かう小説は苦手だと思いながら、目をそらすことができず、息を詰めて読んでしまった。