りつこの読書と落語メモ

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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

★★★★★

“30歳”という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。少しずつ隔たってきた互いの人生が、重なることはもうないと思っていた。あの“殺人事件”が起こるまでは…。辻村深月が29歳の“いま”だからこそ描く、感動の長編書き下ろし作品。

女友達の微妙な距離感、一見「みんないっしょ」のようでいて確実に存在する格差、仕事や結婚や出産にまつわるもやもや、そして母と娘の愛憎が、とてもリアルに描かれている。
みずほもチエミも決して好きになれるキャラクターではないんだけれど、自分が母になったせいだろうか。その未熟さが妙に愛おしい。いや実際には私も彼女らとたいして変わらず未熟ではあるんだけれど。

救いのない物語ではあるんだけれど、しかしどこか清清しいところがあって、私はそこがものすごく好きだ。今まで読んだ辻村作品の中でダントツに好きだ。