りつこの読書と落語メモ

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ぼくを創るすべての要素のほんの一部

ぼくを創るすべての要素のほんの一部

ぼくを創るすべての要素のほんの一部

★★★★★

人から賛辞をあびたかった。弟よりもできる人間でいなければならなかった。だが、考えること為すこと、すべてが予想もしない不幸を呼んだ。哀れみと蔑みの視線しか向けられることはなかった。…そんな「父」に似ることは、ぼくにとって悪夢だった。ダメ男の遺伝子はどこまで受け継がれるのか!?オーストラリア一の嫌われ者マーティン・ディーンの不憫な生涯と、その息子ジャスパーの奇妙な半生を描いた、ナンセンスにして哲学的、悲惨にしてユーモラス、荒唐無稽にして綿密な世にも奇妙な父子の壮大なる物語。ブッカー賞、ガーディアン賞、最終候補作。

こんな壮大ななんじゃこりゃー本は久しぶり!ページ数も相当なもので、さらに久しぶりの二段組。読むのに2週間かかっちゃった。
途中、ちょっと長いなぁ〜と感じる部分もなくはなかったけど、私は好きだ〜この小説。こういう世界は本の中でないとなかなか出会えない。

とにかく不幸不幸不幸の連続。そして人に嫌われる嫌われる。最後は国をあげて嫌われる。
人に好かれずそして人を好きになれず、やることなすこと裏目に出る壮大にバカバカしくて救われないこの二人の父子。決して好きになれるような人物じゃないんだけど、しかしなぜか嫌いにもなれない。ここまで見ちゃったんだから最後まで見なきゃって気にさせる。

おかしくってちょっと悲しい。悲惨なんだけどちょっとあったかい。
最後にジャスパーが至る境地がとっても素敵だ。