りつこの読書と落語メモ

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かけら

かけら

かけら

★★★★

父は、昔からちゃんと知っていたようにも、まったくの見知らぬ人であるようにも感じられた―第35回川端康成文学賞受賞。最年少で受賞した表題作を含む珠玉の短篇集。

とてもさりげなくて見事なまでに何も起こらない、とるに足りない日常。
読んでいる時は、「ここまでさりげないのはちょっと…」と思ったのに、読み終わってから時間がたつほどに印象が深まってきている気がする。

自分の知らない親の一面を垣間見た時の違和感。自分の家に親戚のビミョーな年齢の女性が泊まる時の心のざわつき。
説明のつかない感情の揺らぎを描くのがとてもうまいなぁ。
些細なことで傷ついたり劣等感を抱いたりもやもやした気持ちになったり。私の毎日はまさにそんなかけらで出来ているんだよなぁ…。