静かなアリス
- 作者: リサ・ジェノヴァ,古屋美登里
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/09/02
- メディア: 単行本
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大好きな古屋美登里さんの翻訳だったので読んでみた。
ある日、地位に名誉に恵まれたハーバード大学教授が“若年性アルツハイマー”と診断された。日々壊れゆく自分。そのとき彼女は、そして家族は…!?全米を感動と涙につつんだベストセラー、ついに邦訳。
若年性アルツハイマーというのは、一番恐ろしい病気かもしれない…。
自分の記憶、理性が壊れていくというのは、本当におそろしい。そうなってしまったとき、どれだけ自分がまわりに迷惑をかけるか、愛している人たちにどれだけ失望されるか…想像すると身震いしてしまう。最も酷い姿をさらす前に消えてしまいたい、と思う。
記憶力にかなりの不安を抱えている私。若年性アルツハイマーを描いた小説はいままでも何冊か読んだことはあるんだけど、この作品がいままで読んだ中で一番身につまされたかもしれない。
描かれている家族の反応がものすごくリアルなんだよね…。
夫ジョンの反応をなんて冷たい!と思ってしまうけれど、しかし自分が彼の立場に立たされた時…おそらく自分はこういう態度をとってしまう気がする。
だって生きていかなければならないんだもの。病におかされてしまったものも、そうでないものも。
リアルなだけに辛い物語ではあったけれど、時には笑える場面もあり、小説としても最後まで楽しませてくれた。