りつこの読書と落語メモ

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スコルタの太陽

スコルタの太陽 (Modern & Classic)

スコルタの太陽 (Modern & Classic)

★★★★★

老婆がその長い沈黙を破ったとき一族の知られざる秘密が明かされる―南イタリア、灼熱の太陽のもと、呪われた宿命に抗って果敢に生きるスコルタ家5世代にわたる波瀾の物語。ゴンクール賞受賞。ジャン・ジオノ賞審査員賞も同時受賞の話題作。

南イタリアの僻地モンテプッチョの灼熱の太陽が照りつける中、1人の男がロバに乗って帰ってくる。
それは15年間の刑務所暮らしを終え、故郷に帰って来たルチャーノ・マスカルツォーネ。長い刑務所暮らしの間中、ずっと求め続けていた女フォロメーナを抱くことだけを心の支えに生きてきた彼は、迷うことなく彼女の家を訪ね、自分の欲望を満たす。その後殺されることは覚悟の上のことだった。
しかし彼が犯したのはフォロメーナの妹インマコラータだった。村人たちに石を投げられて嬲り殺されながらそのことを知るルチャーノ。そして彼の子を生んですぐに死んでしまうインマコラータ。ここからスコルタ一族の物語が始まる。

スコルタ家の人々、そして彼らと関わる神父たち、みなとっても魅力的だ。
どん底から立ち上がってきたスコルタ家のきょうだいたちと、血は繋がっていないけれど彼らと「きょうだい」の契りをかわずラッファエーレ。
善人か悪人かと問われれば、明らかに悪人側にいる彼らだが、そのしたたかさとひたむきさ、そしてなによりきょうだいの結びつきには心打たれる。

後半部分は、前半に比べると少しスケールダウンしてしまった感は否めないけれど、でも最初から最後まで物語を読む悦びを感じさせてくれる作品だった。
とっても良かった…。久しぶりに本を読みながら本気泣きをしてしまった。