りつこの読書と落語メモ

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ナラタージュ

ナラタージュ (角川文庫)

ナラタージュ (角川文庫)

★★★★

お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある―大学二年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと同時に、卒業前のある出来事を思い出す。後輩たちの舞台に客演を頼まれた彼女は、先生への思いを再認識する。そして彼の中にも、消せない炎がまぎれもなくあることを知った泉は―。早熟の天才少女小説家、若き日の絶唱ともいえる恋愛文学。

うーん…。きらいじゃないけどそんなに好きじゃなかったかなぁ…。
なんかストーリーが少女マンガっぽいんだよなぁ。いや少女マンガは好きだけどね。でもこういうストーリーなら小説じゃなくてマンガやドラマでいいかな、って思わなくもなかった。

そして出てくる人たち(特に男たち)がみんな好きになれない。

葉山先生みたいな男が一番きらいだよ。ずるいし卑怯だ。甘ったれてるよ。そして甘ったれなら甘ったれらしく、やせ我慢なんかよしなさいよ!と言いたい。こんな大人はいやだ!
これさ、葉山先生はまだこの時点では若いからまだ美しさみたいなものがあるけど、これが40代だったら本当に気持ち悪いぜ、こんなおやじ。
って言いながら、最後のシーンでちょっと泣いたけどね…。これ堺雅人が演じたら、ここまでくそみそに言っておきながら、多分かなりぐっときちゃうかもしれない、って予感もするんだけどね…。(どっちやねん)

それより嫌なのが小野くんだな。
もう少し長く付き合ったらバリバリDV男になること間違いなしだよ、こりゃ。なんか小野くんの表情がぴきっといきなり堅くなるところが目に浮かんで恐くてぞぞぞ…と鳥肌が立った。
ああ、そういえばこの人、「大きな熊が来る前に、おやすみ。」を書いた人なんだよな。あれも男性の暴力がとても生々しかった…。

なんだけどなぜ★4つかというと、文章がすごくいいんだなぁ…。
「こんな話って…」ってちょっとしらけ気味で読んでいても、思わずぐわっときて涙が出た箇所がいくつもある。 そういうところは結構凄みを感じたな。