りつこの読書と落語メモ

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天使の記憶

天使の記憶 (新潮クレスト・ブックス)

天使の記憶 (新潮クレスト・ブックス)

★★★

天才若手フルート奏者がミステリアスなメイドと恋に落ち結婚。息子の誕生後もなお心閉ざす妻は夫の知人の楽器職人と秘められた関係に…。ショッキングで痛切な恋愛小説!フランス『エル』誌読者大賞受賞。カナダ・ケベック図書賞受賞。

裕福なフルート奏者ラファエルは、メイドとして雇ったドイツ人のサフィーに夢中になり2人は結婚し子どもが生まれる。
ラファエルはフランス人のブルジョアで、何不自由なく暮らす芸術家。
一方サフィーは父親がナチに協力し母親をロシア兵に陵辱され失う過去を持ち、全てのことがらに対して心を閉ざしている。
そんなサフィーはラファエルとの間に生まれた子どもを愛することもできずにいるのだが、ある日楽器修理職人のアンドラーシュに出会い恋に落ちる…。

戦争と暴力に人生をぼろぼろにされた人間を三角関係をベースに描いている?というより、メロドラマをメインに戦争のエッセンスを振りかけたような印象を受けてしまった。

心を閉ざすサフィーがあまりにも非人間的すぎて共感できなかった。
そもそもなぜラファエルと結婚したんだ?エミール(息子)のことをいったいなんだと思っているんだ?
あまりに戦争で酷い目にあってしまって人間的な感情を封印してしまっていた、といいたいのだろうが…なのに恋愛はできたんじゃないか?と思ってしまって…うーん。

この物語を見下ろすような作者の視線も冷たく感じてしまって私にはいまいちだった…。