りつこの読書と落語メモ

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シンポジウム

シンポジウム

シンポジウム

★★★★

おしゃれで知的なスノッブたちが集うパーティーの進行を軸に、草深い地方の闇に根ざす殺人と都会の軽薄な殺人が縒り合わされてゆく。だれ一人まともでなく、根っからの悪人でもない。現代英国を代表する作家の最近作。

久々に読んだミュリエル・スパーク。
いやはやいやはや、やっぱりスパークは独特だ。
乾いているようなウェットなような、重いような軽いような、衝撃的なような退屈なような、古めかしいような新しいような…。
綿密に計算しつくされているようなのだが、読者を選ぶというか、わかりづらいというか…。私のような頭の弱い人間は最後まで読んでもまだ「???」が残る。
でも目が離せないし、面白いか面白くないかでいったら面白いのだ。

この物語はとにかく出てくる人たちが変人揃いだ。「死をおそれるな」もそうだったっけ。
そしてこの中で一番魅力的なのが狂人の叔父マークスなのだ。
しかしその読者の心を見透かすかのように、マークスが人前に出てくるのは比較的安全な時なので彼の狂気をみな実感できないけれど、そうなったときのマークスはとにかくすごい、みたいなことが書いてあるのだ。なんかちゃんと出口はふさいでおく、って感じ…?

そして物語の中心になるのが、新妻のマーガレット。
マーガレットは魔女なのかそうじゃないのかというのがキモなのだが、これが最後まで読んでもよくわからない。
赤毛の美女と言いながら、前歯が不自然に出ていると書いてあったり、魔女のようでもあるけれどそれにしちゃ鈍いような気もして、うーん…。
最後まで読んで解説を読んでもやっぱり「うーん…(で?結局どういうこと?)」だったのだが、結局はマーガレットの思うように(?)進んでいったところをみると、やっぱり魔女だったのかもしれない…。