りつこの読書と落語メモ

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20世紀の幽霊たち

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

★★★★★

奇妙な噂がささやかれる映画館があった。隣に座ったのは、体をのけぞらせ、ぎょろりと目を剥いて血まみれになった“あの女”だった。四年前『オズの魔法使い』上映中に一九歳の少女を襲った出来事とは!?(『二十世紀の幽霊』)そのほか、ある朝突然昆虫に変身する男を描く『蝗の歌をきくがよい』、段ボールでつくられた精密な要塞に迷い込まされる怪異を描く『自発的入院』など…。デビュー作ながら驚異の才能を見せつけて評論家の激賞を浴び、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞、国際ホラー作家協会賞の三冠を受賞した怪奇幻想短篇小説集。

おおっ。これは面白かった!
ジャンルでいったらホラーか幻想小説か?総じて不気味だったり後味の悪い作品が集められているんだけど、作品ごとのテイストがばらばらで(出来不出来加減もばらばらなんだけど)、飽きさせない。
ぞわっと恐怖を感じたり、うわっそうきたか!とにやりとしたり。

少年の視点で描かれている作品(「自発的入院」「ポップ・アート」「おとうさんの仮面」)が良かったなぁ。 特に良かったのが「ポップ・アート」。
これはちょっとなかなかお目にかかれないような小説なのではないかしらん。
風船(空気を入れるためのクチがあるのだ)で出来た少年アートとの友情の物語なんだけど、奇想で終わらない、しんとした寂しさとやるせなさがあって、読んでいて泣いてしまった。

かとおもえば超グロテスクな昆虫男を描いた「蝗の歌をきくがよい」なんて作品も入っていて。
なかなかバラエティに富んでいるのだ。
変な小説や異色小説が好きな人におすすめ。