りつこの読書と落語メモ

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ミュージック・ブレス・ユー!

ミュージック・ブレス・ユー!!

ミュージック・ブレス・ユー!!

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「音楽について考えることは、自分の人生について考えることよりずっと大事」な高校三年生のアザミの1年間は、焦燥感と疾走感にみちあふれた、至極まっとうにかけがえのない日々……。新たな青春小説の金字塔が登場

うわ!好き好き、これ! 作者の津村記久子さんはなんと1978年生まれだよ…若い!でも未熟だとかそんなこと全然思わなかったな。

高校3年生の女の子アザミはとっちらかった女の子。もしかするとちょこっとだけ学習障害とかがあるのかな、というようなエピソードがちらっと出てくるんだけど、でもまぁ普通の女の子だ。
クラスの中では浮いていて友だちも少なくて男の子からは「きもい」とか言われて避けられたりするけど、でもちゃんと感じる心は持ってるし、人のことを思いやれるし、自分のこともちゃんと客観的に見られている。

とにかく音楽オタクなアザミは、いつでもヘッドフォンを付けて音楽を聴いている。
そしていつも好きなバンドや音楽のことを考えてしまうのだ。このバンドはこの時が一番良かったなぁとか、両方とも頑張ってほしいなぁとか。自分の将来について考えようと思っても、気がつくとバンドのことを考えてしまう。何の役にも立たないとわかっているけど。それはもしかして逃避しているだけなのかもしれないけど。そうせずにいられないのだ。そうするのが自然なのだ。そう、まるで呼吸をするように。

そんな彼女のとっちらかった高校生活を彼女のまとまりのない視点で描いているんだけど、これがなんとも言えずいいんだなぁ…。
読んでいると、アザミも、親友のチユキも、歯科矯正で会うモチヅキも、アザミのような音楽オタクのトノムラも、みんな好きになる。どの子も不完全で、もやっとしているんだけど(アザミのもやっとした視点から描かれているので)、どの子も愛しい。人間って悪くないなぁという気持ちになる。
ああ、いいねぇ…高校生…。これはムスメにも読ませたいな。