りつこの読書と落語メモ

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ひとり日和

ひとり日和

ひとり日和

★★★★

人っていやね......人は去っていくからね。
20歳の知寿が居候することになったのは、 母の知り合いである71歳・吟子さんの家。
駅のホームが見える小さな平屋で暮らし始めた私は、キオスクで働き、恋をし、吟子さんとホースケさんの恋にあてられ、少しずつ成長していく。
選考委員が絶賛した第136回芥川賞受賞作。

なんてことのない話なんだけど、結構好きだったな。
これが若さというものなのかもしれないけれど、共感できたし、後味も爽やかだった。

例えば、おばあさんのことを見ながら「あれほど歳をとってしまったら、もう大雑把な感情しか持っていないのだろうな」と思ったり。
いっぱしの人間としていっぱしの人生を生きてみたい、と思ったり。
できるだけ皮膚を厚くして、何があっても耐えていける人間になりたい、と思ったり。
そういう感情を「若いなぁ」とちょっと笑いながら、「歳をとったからって大人になれるわけじゃないんだよ」とつぶやいている自分がいる。