イヴ・グリーン
- 作者: スーザンフレッチャー
- 出版社/メーカー: バベルプレス
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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母親が亡くなって、8歳のエビーは田舎のウェールズでの新しい生活に放り込まれる。
花は意味ありげに戸口の踏み段に置いてあるし、村の人達は振り返って顔を見る。
自分の家族の暗い秘密を知ってしまったエビー。
いま、イヴ・グリーンは29歳。
子どもの誕生を心待ちにしつつ、自分のついた嘘、怒り、無鉄砲だった自分が果たした役割を追っている。
どこかでストーリーを見て、「お。私好みかも」と思いつつ「もしかすると甘ったるいかも」とも思いつつ、あんまり期待せずに読んでみたんだけれど、これが意外にも良かった。
8歳の時に母が亡くなり、祖父母の家に引き取られたエヴァンジェリン・グリーン。。29歳になって出産を控えたエヴァンジェリンが当時のことを振り返り、母の秘密、淡い想い、そして自分がついた嘘について想いをはせる、という物語。
テーマはそれほど目新しくはないけれど、田舎の生活やエヴァンジェリンをとりまく人たちのことが生き生きと描かれていて、とても良かった。なんといっても主人公のエヴァンジェリン=イヴ・グリーンがとても魅力的だ。少女ならではの優しさ、弱さ、刺々しさ、痛々しさがきちんと描かれているからこそ、彼女の抱えてしまった秘密の痛さも胸に迫るのだと思う。
こういう小説が好きだなぁ。