りつこの読書と落語メモ

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赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

★★★★★

この間読んだ「青年のための読書クラブ」より全然良かった。やっぱりこの人は女子校とかそういうちっさい世界での出来事を大げさに書くより、大きな世界の大仰な話を大真面目に書いた方が断然いいのだ。と勝手に納得する。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。2006年を締め括る著者の新たなる代表作、桜庭一樹はここまで凄かった!

青年のための読書クラブ」も悪くはなかったけれど、なんというかパロディっぽい感じがしてしょうがなかった。あまりにデフォルメされているような?そんな感じ。
でもこれは物語自体が壮大なので、そういう感じがない。あ、いや、ちょっと「時代」を描きだそうとするあまり、「その理解はどうなのさ?」と思うところがなくもなかった。1章と3章は良かったけど、2章はちょっとそういう感じがしてしまったなぁ…。

いやでも面白かった。平成版八墓村?というよりは、私には「千と千尋の神隠し」のイメージがあったな。赤朽葉家のお屋敷はまるであれに出てくる屋敷のようだったし、大奥様のタツはなんかちょっと湯婆婆みたい。
でもおどろおどろしいというよりは、軽快で気持ちいい。なんといっても万葉。この人がとても魅力的だ。こういう人物が描けるってすごい。ぼく語りの女の子を主人公にした話じゃなく、こっちの路線でいってほしいなー。