りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ユーカリ

ユーカリ

ユーカリ



オーストラリア最高の文学賞「マイルズ・フランクリン賞」を受賞し、『ニューヨーク・タイムズ』ほか欧米の各マスコミに、「魔術的妙技! この作家の才気にはただ脱帽のひと言」と絶賛された小説がついに邦訳!
オーストラリアのニュー・サウスウェルズ州の辺鄙な農場を舞台に繰り広げられる寓話的な要素がある文学作品である。
娘の婚約者となるためには父親からのクイズに答えなければならない。そのクイズとは、彼が植林した何百種類とあるユーカリノキの名前を一本ずつ正確に当てなければならない。そしてすべて正答した最初の男性が婚約者となれるのだ。
娘が成人すると美人の噂が駆け巡り、次から次へと男性が名乗りでてくるが、ことごとく父親の繰り出すクイズに失敗し、彼女は絶望の淵に陥っていく。
しかし、ある午後、神秘的な若者が、ゴムの林から現れ一話一話ごとに異なる種類のユーカリにまつわる遠い土地の話を彼女に始めるが......。感動の文学作品。

主軸となる物語(絶世の美女の婿取り話。父親がユーカリノキマニアで世界中からあらゆる種類のユーカリノキを集めてきて植林している。そのユーカリノキの名前を全て答えられたらこの美女と結婚ができると、父が勝手に決め、世界中から婿候補がやってくる)があって、ユーカリにまつわる逸話・薀蓄があって、途中から登場する謎の語り部による物語がある。この入れ子になっている物語と薀蓄が楽しめないと、この小説は楽しくないと思う。

私にはじぇんじぇん楽しくなかった…。この入れ子の物語が。いや、中には面白いものもあったけど、大部分は「ふーん…。で?」って感じ…。
なんか全体の印象はものすごーく体温の低い寓話って感じ。寓話は嫌いじゃないけどあんまり続くとうんざりするんだなぁ。そしてこの体温の低さが致命傷…。いやあくまでも「私にとったら」なんだけど…。
映画化される予定らしいけど、映画もちゅまら…(以下自粛)。

あ。そうだ。一つびっくりしたこと。都会の有名な美容師さんのところで髪を切ってもらう挿話でね。その美容師さんが言うの。「どんだけぇ?」…。こんなん、ありっすか?1年後には死語になってるような気がするんだけど…。