魔性の馬
- 作者: ジョセフィンテイ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/03
- メディア: 単行本
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広大な牧場を持つアシュビー家に、行方不明の長男パトリックになりすまして登場したブラット。彼の登場に不可解な態度を見せる家督相続予定者だった双子の弟サイモン。真贋疑惑にとらわれる家族たち。物語の面白さを満喫させる実力派作家の珠玉作。
「あんた、あいつに瓜二つだ」 飲んだくれの役者ロディングがロンドンの街頭で出逢った孤児のファラーは、彼が親戚アシュビー家の行方不明の長男サイモンと間違えたほど、そっくりだった。金に困っていたロディングは、彼を説得して家督相続者である行方不明の兄が戻ってきたという触れ込みで、アシュビー家に彼を送り込んだが……。 『時の娘』で世界的な評価を受けた実力派女流作家が、それに先だって発表した異色作。物語の面白さを満喫させる、意外性とサスペンスに満ちたミステリ・ロマン!
「たら本企画」でkazuouさんが挙げていて、これは読んでみよう!と思っていた作品。
二転三転するサスペンスとしての面白さもさることながら、登場人物が個性的で魅力的だ。主人公ブラットと一緒に彼女らをだましていることに胸が痛んだり、優しくされてほろりとしたり、ああ、いったいどういう結末が待っているのだろう、と不安になったり。
サスペンスでもあり冒険小説でもありヒューマンなドラマもあり、読みごたえがあって読後感も爽やかだった。