りつこの読書と落語メモ

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灯台

灯台 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

灯台 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

★★★★

【詩人探偵ダルグリッシュ、孤島の謎に挑む】コーンウォール沖に浮かぶカム島。かつてある一族が私有していたそこは、現在は高級保養所としてVIPの滞在客のみを迎えていた。その島で変死事件が発生する。滞在中だった世界的作家が、無残な首吊り死体で発見されたのだ。島には、被害者の娘も含めた少数の滞在客と従業員しかいない。事件の社会的影響に配慮して遠くロンドンからダルグリッシュのチームが島へ派遣されてきた。容疑者は限定されていたが、捜査は難航の兆しを見せる。事件の背後に、過去の忌まわしい歴史が潜んでいるのか……さらには、ダルグリッシュの身に思わぬ変事が!

久しぶりのP.D.ジェイムズ。一時期かなりはまって読んだことがあるのだ。ダルグリッシュシリーズ。でもなんかこの全体を漂う暗い重苦しい雰囲気と細かい人物描写が鬱陶しく思えてきて、長いこと読んでいなかった。久しぶりの新刊ということで読んでみた。

最近ちょっとミステリーから気持ちが離れているのでどうかなと思ったんだけど、これが意外にも面白かった。なんかミステリーって読んでいる間は面白いんだけど、最後まで読むと「あーあ…」って感じになりやすいのだ。無理矢理ねじこまれてしまった感じがしちゃうのだ。それまでにいろんな人物の細かい描写がたくさんあればあるほど、「じゃあれはなんだったの?たんなる目くらまし?」みたいな空しさが。
でもこの作品にはあまりそういう感じがなかった。やっぱりうまいんだなぁ、P.D.ジェイムズって。85歳て!!

この作品では、ダルグリッシュの部下であるケイトとベントンのやりとりもあって楽しかったな。こういうシリーズ物って登場人物の成長も楽しいんだよな。なんかそういう楽しさを久しぶりに味わえた。また時々読んでみようと思う。