大鴉の啼く冬
- 作者: アンクリーヴス
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
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新年を迎えたシェトランド島。孤独な老人を夜に訪れた黒髪の少女は、四日後の朝、雪原で死んでいた。真っ赤なマフラーで首を絞められて。顔見知りばかりの小さな町で、誰が、なぜ彼女を殺したのか。ペレス警部の捜査で浮かびあがる、八年前の少女失踪事件との奇妙な共通項とは?現代英国本格派の旗手が緻密な伏線と大胆なトリックで読者に挑戦する、CWA最優秀長篇賞受賞作。
ミネットウォルターズの「病める狐」を読んだ時に、巻末にこの本の宣伝が載っていて読んでみようと思っていた。CWA最優秀長編賞受賞と書いてあったので、これは第二のミネットウォルターズを発掘できるかも!とも思って。
北海に浮かぶイギリス領のシェトランド島。住む人はほとんどみな顔見知りという小さなこの島で、ある日キャサリンという高校生が殺される。8年前にも島で少女が失踪する事件があり、島の人たちの間では知的障害がある老人マグナス・テイトが犯人なのではないかと噂されていた。二つの事件のつながりはあるのか?本当にテイトが犯人なのか?
田舎の閉塞的な環境、問題を抱える人々、噂…重苦しい雰囲気の中で物語が淡々と進行していく。この感じは確かにミネットウォルターズのようでもあり、PDジェイムスのようでもあり。妻と離婚して孤独な日々を送るペレス警部も魅力的で、本格的なミステリーという感じ。
なんだけど。うーんうーん…。確かに面白かったんだけど、そうなんだけど。でもこのラストはどうなんだろうなぁ。うーん…。なんか最近ミステリーを読むと、最後のオチが物足りない。犯人も被害者もなんだか薄っぺらに感じてしまうんだよなぁ。この物語に限っていえば、キャサリンの事件よりカトリオナの事件の真相のほうが私には面白かったな。こちらがメインでも良かったのでは…?
私はもうミステリー体質じゃないのかもしれないな。