りつこの読書と落語メモ

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捕虜収容所の死

捕虜収容所の死 (創元推理文庫)

捕虜収容所の死 (創元推理文庫)

★★★

大作が続いたので、そろそろ心温まる本が読みたくなってきた…。フツウの家族のちょっとフツウじゃない話、みたいなやつ。で、これ。…全然違うやん…。…だって図書館返却の期限が迫ってて。次に読む本も図書館にばばーんと揃っていて。これは急いで読んでおかなければ!という状況で。いやいかんね、これは。あんまり借りすぎないようにしよう。追われて読むなんてもったいなさすぎる。反省反省。

第二次世界大戦下、イタリアの第一二七捕虜収容所でもくろまれた大脱走劇。ところが、密かに掘り進められていたトンネル内で、スパイ疑惑の渦中にあった捕虜が落命、紆余曲折をへて、英国陸軍大尉による時ならぬ殺害犯捜しが始まる。新たな密告者の存在までが浮上するなか、果して脱走は成功するのか?英国ミステリの雄が絶妙の趣向で贈る、スリル横溢の独創的な謎解き小説。

2004年「このミス」海外編2位だって!知らなかった。というか、ミステリーだったのか、これ!
ある方のブログでこの本の感想を読んで「おお。面白そう!」と思って、ネタバレしちゃいかんと思ってブログも前半1/3ぐらいだけ読んだだけだったのだ。読み終わって改めて感想を読みに行ってみたら「ちょっと残念な作品」という感想だったよ、よよよ…。(←あわてんぼう)

とにかく登場人物がものすごく多くて、みんな少尉だったり大佐だったりするから名前が覚えられない。名前がわからないで読んでいても面白くないから、私にしたら珍しく人物表を作ったよ。立場とかすぐに思い出せるエピソードとかをちょろっと入れて。これは良かった。おかげで「多分こいつなんじゃないか」と、私にしたら珍しく早い段階で「スパイ」がわかったよ。ふふん。

以下ネタバレも含むのでこれからこの本を読もうと思ってる方は読まないほうが良いです。















私はミステリと思って読まずに、冒険小説と思って読んでいたので、最初は「大脱走」のような小説なのかと思っていたのだ。だから物語の途中でムッソリーニが降伏してベヌッチ大尉らが逃げ出してしまったのにはびっくり。あ、あれ?とちょっと肩透かしをくらったような…。
収容所の中で行われたトンネルの中での殺人の犯人とトリック、それから主要メンバーの中に潜んでいる「スパイ」は誰なのか、という謎解き。実はこちらがこの小説のメインだったらしいのだが、こちらもちょっと中途半端かなぁという感じが…。ちょうどこれから犯人の名前が明かされる!という瞬間に、体制が変わることを告げられ脱走劇がくりひろげられてしまうので、こちらはこちらで肩透かし、みたいな。

いやでも冒険小説とミステリ両方の要素が楽しめてなかなかよかった。もっと濃ゆ〜く書かれていたら、ものすごい傑作!と大絶賛してたかもしれない。登場人物もけっこう魅力的だったし、収容所の中の組織についても描かれていて臨場感があったし、すごい力のある作家であることに間違いないと思う。他の作品も読んでみようと思う。