りつこの読書と落語メモ

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百年の孤独

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

★★★★★

「物語の海に溺れたい」の気持ちで手に取ったのがこれ。かーっ。我ながらなんて素晴らしい選本眼なんだ!(←自画自賛)

実はマルケスはほとんど読んだことがない。プイグは大好きなんだけどね…。って比較すること自体おかしいか。
マルケスにはちょっと苦手意識があって、1冊挫折した経験が…。でも挫折したわりには、物語が「絵」として頭に焼きついていて、ふとした拍子にその「絵」が浮かんできたりするのだ。もしかすると苦手なのではなく、消化に時間がかかるということなのかもしれないなぁ…。

というわけで「百年の孤独」。最近お気に入りのサイトでこの本の感想を見かけることがあって、今まで何度も手にとっては読みきる自信が持てず本棚に戻していたこの本を読むことにしたのだ。って前置きが長いよ…。

いやこれがもう…。呆気にとられるぐらいのものすごい小説であったよ。とにかくこれでもかこれでもかと繰り広げられる圧倒的な物語。まさに「フィクションの海に溺れる」という表現がぴったりだ。

愛の欠如のなかに生きる孤独な人間の生と死、相つぐ奇想天外な事件、奇態な人々の神話的物語世界―マコンド村の創設から百年、はじめて愛によって生を授かった者が出現したとき、メルキアデスの羊皮紙の謎が解読され、ブエンディア一族の波瀾に満ちた歴史が終る。世界的ベストセラーとなった傑作長篇の改訳。ノーベル文学賞受賞。

ブエンディアという一族の100年に渡る物語。ホセ・アルカディオと妻ウルスラが苦難の旅の果てにマコンドにたどり着き、マコンドの村をどのようにして建設していったか、一族がどのように栄えどのように滅びていったか。お婆さんが子どもたちに語り継いでいくように、静かに淡々と語られていく物語。

アルカディオの子どももそのまた子どももみんな同じ名前。男はホセ・アルカディオかアウレリャノ。そして兄弟が同じ女に私生児を産ませたり、ジプシーに連れ去られたり、絶世の美女が昇天したり、死んだお爺さんがまた幽霊になって戻ってきたり、ウルスラは100年以上生きていたり…。

いやいやほんとにこれはもう、いったいどれほどの想像力なんだ?!通常の本を1とするならば50ぐらいの濃さがあるよ。読みにくい本なのでは?また挫折してしまうのでは…という心配は杞憂であったよ。
とにかく奇想天外な出来事や登場人物たちの行動に呆気にとられ、物語に出てくる強烈な人や幽霊や現象に惑わされ、登場人物たちの強烈な個性と魅力に魅了されまくり、村がものすごい勢いで膨らみ萎んでいく様にぞくぞくし、物語を読む楽しさに浸りまくった4日間だった…。

こういう喜びと興奮は本でしか味わえない。
「アルカディオはお兄さんだったっけ、弟だったっけ」「このおばあさんいったいいつから生きてるんだ?」と巻頭の家系図を見直し、「あれ?この人死んだんじゃなかったっけ?」と前の方のページをめくり、「あとどれくらいで(物語が)終わっちゃうんだろう…」と残りのページを確認する、この楽しさよ…。
そして映像が与えられていないからこそ、自分の頭の中に「絵」が浮かんでくるのだ。頭に焼きつくのだ。こんな強烈な話、映像で見たくないわ私は…。

そしてそしてこのタイトル。物語の途中でウルスラがつぶやく言葉と、そして最後の最後まで読んで「ああ…」とため息が出る、このタイトル。圧巻。