りつこの読書と落語メモ

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失われた探険家

失われた探険家 (奇想コレクション)

失われた探険家 (奇想コレクション)

★★★

奇想コレクションの最新版(2007年6月現在)は大好きなパトリック・マグラア。となれば買わないわけにはいかないだろう。
って実はこれだけ奇想コレクション大好きと唱えながら、買ったのはこの一冊だけ。あとは全部図書館で借りて読んでいるのだ。なんてケチんぼうなんだ!

買ってから知ったのだがここに収められているのは、すでに刊行されいる短編集「血のささやき、水のつぶやき」「幻想展覧会〜ニューゴシック短編集」から選出された作品も多く、読んだことがある作品が半分以上を占めていた。

12歳の少女が庭で見つけた、行方不明の探検家――現代のポーと激賞される異色作家が綴る、グロテスクで官能的な世界。SF寓話からゴシックホラーまで全19篇。待望の全短編集。

パトリック・マグラアを初めて読んでいたのはいつごろだったかと、自分が長年つけていた読書メモ(ノート)を見てみたら、1994年だった。「幻想展覧会」を読んで初めてこの作家の名前を知り、それから「血のささやき、水のつぶやき」「グロテスク」「閉鎖病棟」「愛という名の病」 と読み続けてきた。
この人の小説を好きか嫌いかと問われたら決して大きな声で好きとはいえないのだけれど、なぜか目が離せない、なぜか惹かれてしまう、そんな感じ。
この人の小説はグロテスクだということもよく言われるけれど、私はそれほどそう感じたこともなかった。

しかしこうして19作どどーんとまとめて読んでみると…確かにグロい…。同じようなテイストの話がこれでもかこれでもかと続いて、ちょっとお腹いっぱいだなぁとも思ってしまった。
好きな作品もあるんだけど、やりすぎだなぁと感じる作品もあって、うわっ、私なんでずっとパトリック・マグラアが好きだと思い続けてきたんだろう、という疑問さえ…。

それでも「天使」「失われた探険家」「黒い手の呪い」「アンブローズ・サイム」「アーノルド・クロンベックの話」「マーミリオン」「監視」「もう一人の精神科医」なんかは好きな作品。「天使」は昔どこかで読んだことがあるような気がするんだけど…とてもマグラアらしい作品だなぁと思う。

醜悪な出来事をわざとらしいぐらい美しい文章で書く、というのがマグラア流。これが受け入れられないとちょっときつい作家かな。