りつこの読書と落語メモ

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わたしを離さないで

わたしを離さないで

わたしを離さないで

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日本人なんだかイギリス人なんだかよくわからないその名前に、デビュー当時の「叙情的」「美しい文体」などの評判で、じっとりした私小説を書く人なんじゃないかと思って、なんとなく手が出せずにいたカズオ・イシグロ
しかしこの作品はものすごく話題になったし、私の好きな翻訳本サイトでも絶賛されていたので、読んでみたいと思っていたのだ。

図書館で予約したらなんと40人待ち。翻訳本にしたらありえない待ちだよ…。(東野圭吾なんかだと200人待ちもざらだけど)

で、ようやく回ってきたのだ。
早速読み始めたら、あまりの面白さにページをめくる手を止めることができず、あっという間に読んでしまった。
うわーーっ、なんだこの小説は。なんだこの作家はーー。

読み終わって、「うわーー。面白かったーー」とうっとりする小説は幾つもあるけれど、読み終わってから鳥肌がぞわ〜と立つような小説を読んだのは本当に久しぶり。
すごいすごいすごい。私の乏しい語彙では「すごい」という言葉しか出てこない。

柴田元幸さんが解説で「予備知識は少なければ少ないほどよい作品」と書いているけれど、本当にそうだ。これは何の予備知識もなく読むべき小説だ。
こんなすごい小説を、生半可に「こういうテーマを扱ってるらしい」なんて聞きかじりして読むのは勿体なさすぎる。