りつこの読書と落語メモ

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エブリシング・イズ・イルミネイテッド

エブリシング・イズ・イルミネイテッド

エブリシング・イズ・イルミネイテッド

★★★★★

変な物語は好きだけど、ストーリーが破綻していたりジャンキーな小説は受け付けない。だから読み始めたときは「これはもしかすると挫折するかもしれない」と思いながら、恐る恐る…だったんだけど、確かに強烈で奇抜ではあるけれどこれはジャンキーじゃない!

小説家志望のユダヤ系のアメリカ人の青年ジョナサン(作者と同姓同名)が自分の祖父が暮らしたウクライナにやってくる。彼の通訳として雇われたのが、もう一人の主人公であるアレックス。アレックスが通訳、祖父が運転手、そして飼い犬のサミー・デイヴィス・ジュニア・ジュニア、この4人でジョナサンの祖父を助けたという女性アウグスチーネを探して旅に出る。

この小説の面白さは、ストーリーの面白さもあるけれど、ストーリーの進み方にある。
1.主人公であるジョナサンがウクライナでの体験をもとに書いた小説
2.アレックスがジョナサンにあてた手紙(ものすごーく間違ったつたない英語で書いている)
3.アレックスがウクライナでの体験をつづった手記

最初は何がなんだかわからないし、特にジョナサンが書いた小説がユダヤの世界を描いているので名前が覚えられないーわけがわからないーで、何度も同じ箇所を読み返さないといけなかったんだけど、読み進めるうちにジョナサンが描く小説の世界にも、アレックスが描く旅の世界にも、そしてアレックスが手紙でつづる現在進行形の世界にも、すべてにはまりこんで面白いのなんの。

そして徐々に明らかになってくる真実がつらい…。しかしそのつらい真実も、アレックスの変な英語(日本語)でちょっとだけ救われる。
いろんな側面があってストーリーがしっかりしていて面白い。怪小説といえるなぁ。