りつこの読書と落語メモ

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ヒストリー・オブ・ラブ

ヒストリー・オブ・ラヴ

ヒストリー・オブ・ラヴ

★★★★★

ああ、これはもう本当に素晴らしい作品だった。もうほんとに何と言っていいかわからない。めったに再読をしない私だけど、これは少し時間がたってからもう一度読み直したい。手元においておきたい。

レオ・グルスキはナチスに追われてアメリカに逃げてきたポーランド移民。母と弟を殺され森でどうにか生き延びて、アメリカにわたって錠前屋になった。心臓発作を抱え「死にかけている」孤独な老人だ。
レオの物語と並行して語られるのが、15歳の少女アルマの物語。「愛の歴史」という本に出てくる少女にちなんでアルマと名づけられた彼女は、愛する夫を失い抜け殻のようになった母親と自分は救世主だと信じて疑わない弟と3人で暮らしている。
この2人の物語と、さらには「愛の歴史」の作者ツヴィ・リトヴィノフの物語、3つの物語が交互に語られていく。そして絡み合っていた糸がほどけるように3つの物語が重なり合っていき…。

物語に独特の間というかうねりのようなものがあってまず圧倒される。
しかし決して「感動させてやるぞ」的な感じではない。レオの過酷な人生に圧倒されるが大仰に語られるているわけではない。しかし時折彼のとてつもない孤独がぐわっと胸に迫ってくるような表現があって、気がつくと涙が出てしまっている。
でも深刻なだけではないのだ。思わず吹きだしてしまうようなおかしさもふんだんにちりばめられていて、今思い出しても顔がにやけてしまうような表現や逸話もある。でも最後まで読むとそれもまた泣ける…。ううう。

ああ…。上手に紹介できないのが歯がゆい…。でもタイトルに引かずにぜひ読んでほしい。おそらく想像しているのと全然違う物語だと思うから。
とにかくすばらしい小説だよ。