りつこの読書と落語メモ

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ミシシッピがくれたもの

ミシシッピがくれたもの (創元ブックランド)

ミシシッピがくれたもの (創元ブックランド)

★★★★

リチャードペックといえば「シカゴよりこわい町」。あの痛快なおばあちゃんがすぐに頭に浮かぶのだが、これは同じヤングアダルト小説ではあるけれどかなり趣は異なる。

15歳のハワードは初めて父の故郷を訪れ、そこで祖母から少女時代の思い出を語りかけられる。
祖母ティリーが語ったのは南北戦争にまつわる思いもかけぬ事実…。

少女の目から見た南北戦争。人種の問題や家族の問題を絡ませつつ、それでもやぱりペックらしいユーモアも忘れない。
読んでいて思わず「ううっ」と声が出てしまうようなシーンがいくつもある、すばらしい作品だった。

双子の弟ノアが戦争に行ってしまい、徐々に正気を失っていく母。そんな母から投げつけられた言葉には本当に胸を引き裂かれるようなのだが、それすら淡々と受け止めるティリーの強さに泣けたなぁ。

デルフィーンもカリンダも実に魅力的だ。そして最後に明かされる衝撃の事実…。

今後も注目していきたい作家だ。