りつこの読書と落語メモ

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失われた楽園を求めて

失われた楽園を求めて

失われた楽園を求めて

★★★

今オランダ文学が熱い!
ってたまたま私が2冊続けてオランダの作家の小説を読んだだけなんだけど。
いやでもたまたまなのかもしれないけれど、前回読んだ「石のハート」といい、この作品といい、家族の崩壊と再生がテーマになっていて、ある意味私にとってのツボだったんだよなぁー。

主人公のサムは、12歳の時に自動車事故で両親を失い、その後里親のもとで兄弟ばらばらに育った。成人を迎えたとき3人(サム、双子の妹リサ、兄のラフ)は再会し、うFたたび緊密な関係を取り戻していく。
サムは両親の事故以前の記憶がない。そんな彼の記憶を埋めてくれるのが双子の妹のリサ。しかしリサの語る家族の過去はたぶんにノスタルジアがこめられていて、それが現実のことだったのか彼女の創造なのか明らかでない。

過去の記憶を失っているがゆえにアイデンティティを持てず、「愛する」ことを実感できずにいるサム。
夫との愛の喪失に悩むリサ。
過去を振り返らずひたすら前に進んで行こうとするラフ。
そんな彼らが、付かず離れずの距離感を保ちながらも、お互いを思いやり失われた家族の絆を取り戻そうとしているのが、なんとも切ない。

この小説からも、親の生き様に左右される子供の人生っていうのを考えさせられたなぁ。
自分が不用意に親をやっているなぁっていう気持ちでいっぱいで、なんか焦りを感じてしまうなぁ…。