りつこの読書と落語メモ

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ドゥームズデイ・ブック

ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館)

ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館)

★★★★★

時は2054年。歴史研究のためタイムトラベルで過去へ向かうオックスフォードの学生キヴリン。
タイムトラベルの技術は確立され実績もあり、タイムトラベルした先で怪しまれないための衣装や訓練を行い、ありとあらゆる種類の予防接種を行い、万全に思えた彼女のタイムトラベルだったのだが‥。
キヴリンが無事に到着したことを確認するデータが出る前に、技術者バードリが突如倒れ意識不明の重態に陥る。
バードリが意識不明になる前に残した「なにかがおかしい」という言葉に不安にかられるダンワーシィ。彼はキヴリンの非公式な担当教授で、今回のタイムトラベルに関して何から何まで指示をしていたのだ。

キヴリンが経験する過去の世界と、残されたダンワーシィら現在の世界、2つの世界の物語が交互に語られていくのだが、どちらの世界も大変な危機的状態に陥っていき‥。

いやぁとにかくすごい小説だ。
ジャンルでいったらSFなんだけど、冒険小説でもあり時代小説でもありパニック小説(!)でもあり‥。
とにかくものすごいストーリーテリングなんだ。現在と過去のできごとがまったく無理なくシンクロしているし、音や匂いまで伝わってくるような臨場感。

何よりこの小説の一番の魅力は登場人物だ。
現在と過去の人物の生き生きしていることったら‥。特にキヴリンが出会う人たちが本当に生き生きと描かれていて、「これからどうなるんだ?」「この人たちはどうなってしまうんだ?」と目が離せなくなり、時代が現在に移ると「あああーーー早くこっち(過去)の続きを知りたい!!」と身もだえしてしまうほど。

こういう小説を読んじゃうと、次に何を読んでも薄く感じちゃいそうだなぁ。
いやでも本当にこの小説に出会えてよかった!