りつこの読書と落語メモ

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ナターシャ

ナターシャ (新潮クレスト・ブックス)

ナターシャ (新潮クレスト・ブックス)

★★★★

沖縄行きの飛行機の中で読んだから、この本を見ると飛行機を思い出すことになりそうだな。
作者ロシア系ユダヤ系のカナダ人。旧ソ連からカナダに移住した家族の短編が時系列で7作、並べられている。

複雑な民族感情、少年から青年へ成長していく過程での葛藤、両親の不安、奔放な従兄弟への恋、それらが抑制のきいた語り口で静かに語られていく。
このしんとした雰囲気と、時々どきっとするような激しさがほとばしるところ、シニカルなようでいて暖かさが感じられるところが、とてもいい。

どの物語も甲乙つけがたいけれど、特に最終話が好きだ。